家族葬の流れは、一般葬などほかのお葬式とあまり変わりはありません。ご自宅や葬儀場で枕経や清拭、納棺などを行ない、通夜・葬儀・告別式・火葬を行なう流れとなります。通夜や葬儀・告別式では、会場となる場所に祭壇を設置したり、供花や供物を飾ったりしますが、これらの準備の多くは葬儀社の担当者が行ない、ご遺族は参列される方への対応やご連絡を行ないます。また、火葬後にはお骨あげを行ない、故人のお骨を足元から骨壷に納めていきます。お骨を骨壷に納め、火葬が終わると、火葬の当日に初七日法要などを行なわない限り、儀式や法要はありません。ただし、葬儀の数日後に家族葬への参列を遠慮された方が、ご自宅に弔問にお越しになることもあるため、その点は注意が必要です。
家族葬の基礎知識
家族葬の呼ぶ範囲
家族葬には明確な定義があるわけではなく、どのようなお葬式を執り行なうかは喪主様やご遺族様のお気持ちの問題となるため、家族葬でお呼びする範囲に明確な決まりはありません。ただし、一般的には、故人のご家族や親戚と、家族同様親しくされていた友人・知人の方が家族葬にお呼びする対象の方となります。故人の友人・知人で、家族葬にお呼びしない方については、ご本人様が亡くなったことを伝える際に、お葬式は身内だけの家族葬で執り行なう旨を明確にお伝えするようにします。故人の友人・知人は、基本的に家族葬に参列することはないため、そのようなご連絡をすることで、家族葬への参列は遠慮され、葬儀後のご自宅への弔問などで対応してくださることがほとんどです。
家族葬の注意点
家族葬を執り行なう際に重要となるのは、故人に関係するみなさまへのご連絡です。特に、家族葬への参列をご遠慮いただく友人・知人の方へのご連絡は、家族葬でお葬式を執り行なう旨をしっかりと伝えなければ、一般葬に近い形でお葬式を行なうと多くの方が勘違いされて、予定よりも多くの方がお葬式に参列されることになってしまいます。家族だけであたたかく故人をお見送りしたいと考えていた場合には、落ち着いて故人をお見送りすることができなくなってしまうため、注意が必要です。また、ご連絡がしっかりと伝わっていた場合には、葬儀への参列をご遠慮された方が、葬儀が終わってから数日後にご自宅に弔問にお越しになることもあるため、その点も注意が必要です。
家族葬の斎場選び
家族葬に参列される方の人数は、10人~40人程度となることがほとんどなので、家族葬の斎場は比較的小さな斎場が好ましいといえます。小さな斎場であれば、民営斎場であっても公営斎場であっても斎場の使用料は低価格で提供されており、家族葬のような小さなお葬式で利用しやすい仕様になっています。また、10人程度のお葬式であればご自宅のリビングや和室などでお葬式を執り行なうこともできます。以前は、自宅葬といえば、大きな部屋を持つ家の方が行なうイメージでしたが、近年では小さなお葬式の増加によって、一般的な広さの家でも家族葬を行なうことが増えてきました。
家族葬のよくある質問
家族葬と密葬はどこがちがうのですか?
家族葬と密葬は同じ意味で用いられることもありますが、一般的にはどのようなときのお葬式を指すかが異なります。家族葬は、家族葬単体で執り行なわれる時のお葬式をいうことが多く、家族葬のみで亡くなった方のお葬式は完結することがほとんどです。一方で、密葬は、社葬や団体葬など比較的大きな本葬とセットで行なわれる小さなお葬式のことをさすことが多く、家族など身近な方だけで密葬を行なった後に、多くの方が参列する本葬が執り行なわれることがほとんどです。このように、「家族葬」は家族を中心とした身内だけで行なうお葬式のことをいい、「密葬」は本葬とセットになった身内だけのお葬式のことをいうことが多いといえます。
家族葬のメリットは?
家族葬のメリットは、家族などごく限られた身内だけで、落ち着いてあたたかく故人をお見送りできる点にあります。一般葬などその他のお葬式では、ご遺族様が参列された方へのご挨拶や対応に追われ、落ち着いて故人のお見送りをできないようなケースがあります。しかし、家族葬の場合には、参列する方が少ないため、ご遺族様も落ち着いて故人をお見送りすることができます。また、お葬式の費用的にも低価格でお葬式を執り行なうことができるため、仏壇を購入したりお墓を新しく建てたりする必要があるときには、その費用に残りの費用を充てることができます。
家族葬のデメリットは?
家族葬のデメリットは、限られた身内の方以外の方がお葬式に参列できない点にあります。身内以外の方がお葬式への参列を遠慮されることによって、葬儀の数日後にご自宅に弔問にお越しになることがあり、少人数であればご遺族様も対応することができますが、多くの方が弔問にお越しになった際には、みなさまに十分な対応をできなくなってしまいます。また、一般葬ではご遺族様が遠慮されない限り、多くの方がご香典をお渡しくださり、ご香典の中から葬儀費用の一部を出すことができますが、家族葬では参列される方が少ない分、ご香典の中から補てんする葬儀費用が少なくなってしまう傾向にあります。
参列者が家族や親族だけなのですが、会葬返礼品は必要ですか?
家族葬で会葬返礼品をお渡しするか否かは、ご遺族様のお気持ちによります。一般的には同居している家族がほとんどで、ご香典をお渡しするような家族葬でない場合には、会葬返礼品や香典返しなどを用意せず、同居している家族以外にも、少し疎遠になっている親族などもお越しになる際には、会葬返礼品や香典返しを用意しておくことが多いです。会葬返礼品は一般的に1000円前後のものをお渡しすることが一般的で、香典返しはいただいたご香典の金額の半額ほどのものをお渡しすることが一般的です。
家族だけのお葬式は、ご近所や会社関係の方などに対して、失礼にあたりますか?
家族だけのお葬式自体が失礼に当たることはありません。家族だけのお葬式は近年増えてきているお葬式の形であり、家族だけで故人をお見送りしたいというご遺族様のお気持ちをご近所の方や会社関係の方に十分ご理解いただくことで、多くの方がご遺族様のお気持ちを汲み取ってくださいます。なお、家族だけでお葬式を行なう際には、葬儀の数日後にお葬式に参列することを遠慮されたご近所の方や会社関係の方がご自宅などに弔問にお越しになることも多いため、香典返しなどの準備をしておくようにしましょう。
お葬式のコンシェルジュ(横浜市、大和市/相模原市、座間市)|家族葬プラン